クライミングは難しい?
クライミングとは、自分の手足の力・バランスなどを使って壁を登って行くスポーツです。
自然の岩や岩壁を登る、危険で手間のかかるイメージでしたが、近年ではクライミング施設が充実し、誰でも安全・簡単に始められるスポーツ登山のひとつになっています。
筋力も体力もないから無理・・・と思ってあきらめてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、力だけで登るのではなく、バランス感覚や柔軟性など総合的に体の機能を使うため、コツをつかめば誰でも楽しむことができるスポーツです。
バランスよく筋力を使うため、トレーニングとしてはもちろん、女性のフィットネスにも効果がありますよ!
リード競技
高さ12メートル以上、幅3メートル以上のクライミングウォール(人工壁)を制限時間内(6分)に登り、その到達したポイント(高さ)を競います。スタートポイントから終了のホールドまで落ちずに登れば最高ポイントである「完登」となります。
壁にはホールドと呼ばれる大小さまざまな人工の石が取り付けられており、それを手がかりや足がかりにしてゴールを目指します。選手は安全のため、ロープ(命綱)でビレイヤー(確保者)が確保しながら登っていきます。
国体は左右近似ルートの壁が2基設置され、左右の壁を1名ずつが登ります。途中で落下したり、違反行為があれば、その到達高度で終了となります。それぞれの選手の到達したポイントからまず個人順位を算出し、2名の個人順位の合計で順位(少ない方が上位)を競います。
ボルダリング競技
高さ5メートルくらいの比較的低いクライミングウォールに設置された課題と呼ばれるコースを制限時間内(5分)に上り、何回で完登したかや何回でゾーンに到達したかで順位を競います。
ロープ(命綱)を一切使わないため、安全確保のためマットを敷いて競技を行います。
リード競技は登る距離が長い分、持久力が重視されるのに対し、ボルダリング競技は、登る距離が短い分、ルートもスタートから難易度が高く、瞬発力とテクニックが重視されます。
スタートのホールドから任意に設定されたホールドを利用して、終了点のホールドを両手で保持することができれば最高の「完登」となります。もし完登できなくても、途中に設定してあるゾーンポイントのホールドを保持することによってゾーンポイントを得ることができます。
また、リード競技とは異なり、制限時間内であれば、途中で落ちても何度でも最初からやり直すことができます。
国体の競技方法は、チームの選手2名が制限時間(4分)の中でまず1基目の左右2面の壁をそれぞれ登ります。制限時間の中であれば2名の選手がどちらの面を登るかは自由です。
また、リード競技とは異なり、選手同士であれば登り方のアドバイスも可能ですので2名の選手が制限時間をいかにうまく使って左右の面をそれぞれ攻略するかがカギを握ります。1基目の競技が終わると4分間の休憩時間が与えられ、チームの選手2名は次の2基目の競技を見ないようにして休憩します。休憩時間が終わるとすぐに次の2基目の左右の2面を同様に制限時間内で登り、2基目の競技が終了するとそのチームの競技終了となります。その競技結果をもとに算出された2名の個人得点を合わせたチームの総合得点で順位を競います。
スピード競技
スピードクライミングは高さ10メートルもしくは15メートルの壁で、予めホールドの配置が周知されているコースをどれだけ早く登るかを競う種目です。選手はロープの繋がったハーネスを装着しますが、トップロープ(ロープが終了地点付近で予め支点確保されている)スタイルで行うため、途中の支点確保は必要ありません。
一般的には予選と決勝トーナメントで行われ、予選では同一コースが配置された2つの壁でそれぞれ1トライずつの計2トライ、決勝トーナメントではどちらかの壁で1トライのみ行うことができます。
予選は2トライのうち早い方のタイムを使用することができ、基本的には予選参加者の上位16名が決勝トーナメントに進出します。
決勝トーナメントは順位の高い選手と低い選手が1回戦で当たるように組まれ(1位と16位、2位と15位、等)タイムの早い選手が勝ち上がります。タイムが同じ場合はカウントバックが適用されますが、準決勝(残り4人)と決勝(残り2人)のラウンドで同じタイムの場合は、もう一度競技を行います。
予選の2トライのうち、どちらか1本でもFalse Start(フォルススタート=フライング)をすると、一発失格となります。決勝トーナメントでFalse Startをすると敗退が決定します。スタートの合図から0.099秒以内に反応するとFalse Startとなります。
カウントバック...
同じラウンドで同じ成績の競技者が出た場合の順位決定方法。スポーツクライミングの場合は1つ前のラウンドの成績が採用される。